昔のお話。
中学生の時の吹奏楽部の同級生T子は、なんかいつも垢抜けない地味な子だった。
そんなT子がある日、今まで見たことのない垢抜けっぷりで部室に現れたのである。
何が違う?…そうだ、髪型だ!!!
聞けば、今まで散髪は母親にやってもらってたそうで、この度人生初の美容室へ行ったのだとか。
無駄に沸き立つ我々。
「T子!その髪型!なんて言って切ってもらった!?」
そしたらT子は満面の笑みでこう言った。
「『 可愛く切ってください』って(うふっ)」
それだけ!?
アイドルの切り抜きとか持ち込んだり、ヘアカタログ見たりせず、「可愛く切ってください」の一言で美容師さんは切ってくれるのか!!!
当時の私にはまあまあの衝撃だった。
これは美容師さんの腕の見せどころだったろうねぇ…。
住んでた所がカリスマ美容師とかいない田舎なので、町の小さな美容室で切ったと思うんだけど。
その後のT子は前より生き生きしてたような気がする。
可愛くしてもらって良かったねぇ。
…月日は流れ現在、毎回美容室であれこれ説明しても思い通りの髪型にならない私。
いっそ「可愛く切ってください」って言ってみようかとも思うけど、さすがにそんな勇気はない。
髪は長い友達(ってCMあったよね)。
T子には卒業してから会ってないけど、可愛い髪型のままでいて欲しい。